3.賃料滞納による建物明渡請求について

1 司法書士が代理できる場合

  訴訟物の価額が140万円以内であれば司法書士も簡易裁判所における訴訟手続、裁判外の和解交渉について代理人になることができます。

<訴訟物の価額の計算方法>

 建物の固定資産評価額 ÷ 建物の床面積 × 賃貸部分の床面積 ÷ 2 = 訴訟物の価額  ≦ 140万円

 ⇒ 司法書士も代理人になれます。

2 裁判書類作成によるサポート

 訴訟物の価額が140万円を超える場合でも、司法書士は裁判所に提出する書類を作成して、訴訟をサポートすることができます。

  ※この場合、ご本人様が裁判所に出頭する必要があります。

3 賃料滞納による建物明渡請求手続の一般的な流れ

(1)和解交渉
  司法書士が代理人になることができる場合は、まず、和解交渉から始めます。裁判などをせずに、早期に和解で解決するに越したことはないからです。

 賃料滞納の場合は、借主が賃料を支払えなくなった事情(例えば、借金、失業による収入の減少など)があるはずです。その事情を聴きとって、債務整理をするように司法書士会を紹介したり、生活保護制度等を利用してもらうように誘導することで、将来的に賃料が支払われたり、任意に明け渡してくれる可能性が出てきます。

(2)契約の解除
  将来的に賃料の支払が見込めない場合、借主が和解交渉に応じない場合は、内容証明郵便等で、期限を定めて未払賃料の催告を行い、期限内に支払わない場合は賃貸借契約を解除する旨の通知を出します。

 ただし、事案にもよりますが、1、2か月程度の賃料滞納のみでは信頼関係が破壊されていないとして、一般的には賃貸借契約の解除は認められません。さらに数ヶ月間の賃料滞納があるとか、その他、信頼関係が破壊されていると認められる特段の事情が必要です。

(3)訴訟等
  建物の明渡を求める勝訴判決を取得するのも一つの方法ですが、裁判前の即決和解や裁判上の和解で、賃貸借契約を継続させたうえで、将来「賃料の支払いを怠ったときは賃貸借契約を解除し、建物を明け渡す。」というような和解が成立すれば、判決と同様に執行力を持つので、将来の賃料未払いにスムーズに対応できます。

(4)執行
  建物の明渡を求める勝訴判決等を得ても、借主が任意に建物を明け渡さない場合は、裁判所に強制執行の申立てを行う必要があります。

 強制執行を行うと、強制的に借主を退去させ、建物内の残置物を撤去させることができます。

 但し、強制執行までいくと、建物内の残置物の撤去・保管・処分が高額な費用がかかります。

(5)その他
  以上は、一般的な賃料滞納による建物明渡請求の場合ですが、事案によっては、借主は行方不明で荷物のみが残っている場合や、建物に全く知らない誰かが不法占拠している場合等もあります。

 その場合は、裁判所の掲示板に掲示することで訴状を送達したとみなす公示送達や、占有者が変わったとしても強制執行をすることができる占有移転禁止の仮処分といった手続も必要になる可能性があります。

4 費用

(1)司法書士報酬
  @ 着手金 契約締結時 7万3500円(税込)
  A 訴訟(即決和解等含)提起時 3万1500円(税込)
  B 強制執行申立時 5万2500円(税込)
  C 成功報酬 @ 判決等の債務名義取得時 5万2500円(税込)
            A 建物明渡完了時 10万5000円(税込)

(2)実費 必要に応じて
  @ 訴訟提起時
     ・収入印紙代、予納郵便切手代

 A 即決和解申立
     ・収入印紙代、予納郵便切手代

 B 強制執行申立
     ・執行官手数料、郵便切手代、予納金
     ・残置物の運搬費用・保管費用・処分費用等 ※このお金が数十万円かかることがあります。

 C その他、通信費等の実費


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